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2019年10月の2件の記事

2019.10.31

『ジョーカー』

いわゆる「無敵の人」の狂気と恐怖。


無敵の人とはネットスラングで、失うものが何もない、犯罪を起こして逮捕されようが何しようがダメージを受けない人のこと。


昼は看板持ちのピエロとして働き、夜はウケないコメディアンとしてステージに立つ精神病を患ったアーサー。救いようのない人生を痛々しく描く。もうこれだけで、観ている方はいっぱいいっぱいである。ツラい。仕事をクビになり、電車では気持ち悪いと乗客にバカにされ、泥沼である。


物語と並行して、市の財政難から福祉が打ち切られ、アーサーへの支援も打ち切られ、街の治安も悪化して貧富の差の拡大から、どうしようもなくなる。やはり、救いようがない。


結局、何も救われないず、事態は重篤化してエンディングを迎える。どちらかというと最悪のエンディングだが、それでもアーサーよくやった!と称賛してしまいそうな感情を呼ぶところがこの映画の怖いところだ。


アーサーはサイコパスとしては描かれていない。しかし、サイコパスの怖さをアーサーの復讐に見てしまう。



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2019.10.01

『ケーキの切れない非行少年たち』

『ケーキの切れない非行少年たち』

少年院に収容された少年たちに知的障害が多くみられるため、学校教育による対処が必要との意見の書籍。

前半は、非行少年の認知力の問題について著者の経験から述べられて、後半は認知力向上のために「コグトレ」が有効であり学校教育に取り込むべきだというのが本書の主旨です。

少年院や刑務所は更生の場所であり(刑務所には自由を奪う懲罰という側面があるが)、更生のためのカリキュラムも組まれているものの上手くいっていない現状。最近は発達障害など精神障害に対する理解や研究が進んできたので、それに合わせて非行少年や非行予備軍の障害児などにきちんと対処し救っていきましょうという流れなんでしょうね。発達障害や知的障害は障害の現れ方が多種多様で一律にこうすれば良くなるというものでもないので、その中でも多くの少年に効果がある方法から順に手を打っていくんでしょうね。


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