『みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史』
永遠に終わらないかと思っていたみずほ銀行のシステム統合とシステム更新。もう名物案件化してましたね。SEが「青いところに足を踏み入れちゃった」と自嘲気味に話してたり。
昨年、ようやく長いプロジェクトが完了した。日経コンピュータでも大々的に取り上げられ、日本のIT業界の一区切りが付いたなと感慨深いものです。もはや「第一勧業銀行」「富士銀行」「日本興業銀行」なんてみんな忘れ去ってしまっただろうし。
本書は、こんな長いプロジェクトの中で発生した2度の大規模システム障害から銀行の体制を遡り、経営におけるシステム軽視の危険性を説くものです。
日経コンピュータはみずほを敵視するような書きっぷりをすることがあり、本書も相当激しく糾弾するかなと思ってたら、意外にも穏やかな表現です。現場の技術者たちへの遠慮が感じられる。経営体制の批判はしますが、批判対象の経営陣はすでに一線を退いてますし。
そんなわけで、比較的淡々とかかれています。技術的にも19年間の今となっては過去の技術な訳だし。でも、基幹系と言われるようなシステム更新を企むことがあれば、きちんと本書を読み直して轍としたいですね。
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