『論理的に考え、書く力』
物を書くときの論理的思考法を説いた本だと思ってKindleにダウンロードした。バーバラミント的なものを期待して。中身は全然違いました。教育論の本です。
僕が「センター試験」の2期生。その頃の国公立大学の入試は、1月にマークシート式のセンター試験を受け、その翌月に大学ごとの記述式試験を受ける流れでした。私立大学は最初っから大学独自の記述式試験を受験するのだったと思う。(結局私立大学は受験しなかったので、試験制度をはっきりとは覚えていないのですが。)毎年のニュースにセンター試験が取り上げられるので、この方式がずっと続いているんだと思っていました。しかし、この本を読んでいると、最近の大学入試はそのようではないようですね。どうやら、「記述式試験」が省略されているようです。
人生でいちばん集中的に勉強する「大学受験」は、人生における勉強を大きく方向付ける制度です。そのため、大学受験の試験方法が受験を経験した人間の思考方法に影響を与えてもおかしくない。で、この本を読んでいると、最近の若者(と言ってもこの本は7年も前の本だけど)は「選択肢式」の試験に特化して訓練を積んでおり、記述式試験に必要な論理的思考力を養っていない、となるわけです。
ようやく、最近の「大学入試が変わる」「知識偏重から思考力へ」などの報道の背景がわかってきました。記述式試験の省略により訓練を省いた「ゆとり」を元に戻そうとしているのですね。これって、選択肢式のセンター試験が悪いのじゃなくて、記述式試験での二次選抜を省いた大学が悪いんじゃないの?と思うのですが、どうなんでしょうか。
バーバラミントなんかよりも、もっと以前の問題でした。
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