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2021年2月の3件の記事

2021.02.24

『国道16号線「日本」を作った道』


東京郊外を環状に取り巻く国道16号線。関西在住の頃は、小田和正など歌を聴いて渚へと導く心地よい道なんだと思い込んでた。横浜に住んでからは、物流大動脈のイメージしかなく、ギャップが大きくて悲しかった。

この本では、郊外ならではのカルチャーと、生糸貿易の重要性、関東平野という地形における16号線付近の多様性が述べられている。

何かを論じたものではなく、エッセイの集まりだと感じた。ああそうよね、16号線ってこんなだよね。だとか、郊外あるあるだとかを著者と読者が共有するような本か。地域ネタのエンタテイメント本だ。

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2021.02.22

『逃げるは恥だが役に立つ』

5年くらい前に大ヒットしたテレビドラマ。ネットでデータベーススペシャリストの情報を探すとなぜかこのドラマの情報が出てくる…主人公がデータベーススペシャリストを持っているという設定なんですね。(書類にチラッと映るだけでネット検索上位に出ちゃうって、どれだけマイナーな試験区分なんだか。)


ドラマはいろんなテーマがごちゃ混ぜになりつつ、取っ散らからないように、エンタメ性も持たせて構成されている。重いテーマの深刻な場面でテレビ番組のパロディーを妄想として持ってくるところがなかなか。


・家事の対価

・面倒くさい人との付き合い方

・愛情の伝え方と距離感


この辺りを、男女のビジネスライクな付き合いから始め、視聴者をハラハラさせながらのラブコメディーに仕上げている。


登場人物は全体的に孤独を好む人物が多い。津崎平匡は典型的なオタクSEで「プロの独身」として描かれているし、森山みくりは明るく社交的な人物に描かれているが打算的な側面があり他人との距離を持ちがちな人物として描かれているのではないか。だからこそ9条まである労働契約書という線引きのある関係からスタートして、互いの壁をちょっとずつ崩していくストーリーがな楽しめるのかと。


このドラマが一世風靡した理由の一つにエンディング曲の振り付けがあるが、見ているとなかなか難解なものだ。一回も飛ばさずにエンディングを見たが、全く覚えられない。

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2021.02.08

『職業、女流棋士』


女流棋士香川愛生の自伝兼将棋界の紹介といった本。
香川愛生は端正な容姿に鋭い言動と幅広い活躍で、ファンが多いのではと推測する。最近女流四段に昇段し、ますます本物感が高まっている女流棋士。なんとなく美人で周りからチヤホヤされながら華やかな女流棋士をやってるんだろうななんて勝手に思ってたけど、本書を読むとそうでもなかった。かなり苦労して育ち、将棋にのめり込むことで生き甲斐を見出し、将棋の世界に入っても苦労をして、彷徨って、今の香川愛生があるんだなと。
タイトル2期のあとなかなか実績を残してないのが残念なところですが(ここしばらくの女流は里見西山加藤の壁が厚く乗り越えられない)、大舞台での活躍も期待したいところです。

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