2021年4月の6件の記事
2021.04.26
2021.04.19
ITストラテジスト試験を受けてきた(令和3年)
前回の敗戦から1年半、再びITストラテジスト試験を受けてきました。
今回の試験場は横浜駅近くの専門学校。今までが川崎市多摩区の明治大学や専修大学だったので、急に遠くなってしまいました。試験申し込みの際の受験地は「横浜」ですので、神奈川県のどこになっても文句が言えないのですけどね。午前Ⅰ免除なので試験は10時50分からですが、家を8時半くらいに出て、10時前には現地着。近くの喫茶店で自分の習作論文を読みながら待機です。喫茶店では10時20分頃になってお会計をする人が続出。この波はみんな午前Ⅰ免除組でしょう。僕もこの波に乗って会計を済ませ、会場に入りました。
会場は専門学校の教室で、2人掛け机を1人だけで使うレイアウト。コロナ渦での開催、会場を用意するのも大変そうだなぁ。自分の机を探し、机の上に受験票、体温カード、シャーペン、消しゴム、定規を置いてセット完了。そう言えば体温カードって机の上に置いておくんだっけ?と周囲を見ると、誰も机に置いていません。もしかして、会場入り口とかに回収する場所があって、提出が漏れた?まあいいや、受験票1を回収するときに回収してもらおう。
午前Ⅱ試験。
問1からいきなり「DX推進指標」の新問題。ブームだから当然みんな認識しているよね?という雰囲気の問題でしたが、すみません不勉強です。この設問自体は消去法で解けますが、「DX」はITストラテジストの必須知識なので事後に勉強しておきます。問5「ビジネスモデルキャンパス」明らかにビジネスフレームワーク系の問題ですが、初耳だった。これも消去法でクリア。問12「エスノグラフィー」マーケティング用語。これは知らないと答えられないですね。問13のSECIモデル、頻出問題で容易かと思いましたが、問題の読み落としがあり間違えてしまいました。問15のJIT微妙でしたがカンバン方式と読み替えて解きました。問17の計算問題。ちょっと面倒でしたが時間をかけて解きました。こういう問題はいったん飛ばして、最後に解くのがよさそうです。問25はNICTのNOTICE。こんなの初耳。せっかくなので覚えておきましょう。
午後Ⅰ試験。
ぱっと見で問1のタクシー会社の問題がごちゃごちゃしていそうだったので、問2と問3を選択。問2は解答用紙の回答欄がたくさんあり時間的にどうかなと思いましたが、書く欄が多い問題ほど易しいと聞いたことがありますし。
問2は雑貨屋のインターネット通販と店舗オペレーションの融合の話。「今期は社会環境が激変した影響から期初より来店客や旅行客が大幅に減少しており」と微妙にコロナ禍を反映した設問。コロナ禍が過ぎ去り過去問を読んだ未来の受験者がどう思うのでしょうか。きちんと問題文を読み込んで、設問に当てはめていく。この作業はたぶんうまくいったと思う。ただ、設問が求める解答記述の仕方になってるかが自信ない。
問3はカメラスタジオと印刷業を経営する会社が学校行事写真事業に乗り出す話。問題文中「保護者から“自分の子供の顔が写っている写真を,他の保護者に購入されたくない”という要望が出た場合」というのがあり驚愕。問題文中に顔認識技術とぼかし技術が書かれているので、他の保護者が買った写真の自分の子供の顔にぼかしをいれて販売するという方法が設問の正解になりそうなのですが、友達の顔にぼかしが入っている行事写真、買う?
午後Ⅱ試験。
問1はデジタルトランスフォーメーションを実現するための新サービスの企画について。「ターゲットの顧客を明確にし」「収益モデル、業務プロセス」などあり、ビジネスモデル系問題です。IPAが何をDXと呼ぶか明確でなく、なかなか手を出しづらい問題。問2はステークホルダー調整の問題で、こちらを選択して回答に着手。設計に30分くらい費やしてしまい、設問アを725字、設問イを900字、設問ウを650字(合計2275字)と少し少なめの文字数で終了5分前に書き終えました。十分な記述量とされる2400字なんて書いていたらとても時間がないのでは?と思います。で、出来は?設問イの論点の中心をうまく設問ウに持ってこれていないのではと後になって思いました。設問ウで新論点を出しちゃっている感じがあります。これがどのように採点されるのかは、6月の発表を待ってみなければわかりませんね。(午後1をちゃんと通過して午後2が採点されればの話ですが。)
ここまで人事を尽くしたので、あとは天命(合格発表)を待つだけです。
2021.04.17
『むらさきのスカートの女』
近所にいる変わり者として有名なむらさきのスカートの女を観察する、という仕立ての小説。語り手は黄色いカーディガンの女で、この語り手の一人称小説であることがポイント。観察対象であるむらさきのスカートの女の行動は細かく描かれるが、黄色いカーディガンの女のことが描かれず物語が進むので、読んでいてだんだん気持ち悪くなる。それより一体お前は何者なんだと。
本が終わりに近づくにつれ、変わり者なのはむらさきのスカートの女ではなく黄色いカーディガンの女であることに気付いてくる。そうすると、むらさきのスカートの女は実在する人間として描かれているのかというか疑問が生じてくる。『ピクニック』のような妄想が盛り込まれているのではという疑惑が生じたり。
物語の最終盤をどう解釈すればいいのかわからない。このわからなさが今村夏子ワールドなのか。そして『花束のような恋をした』で今村夏子をここまでプッシュする意図は何だったのか。
2021.04.11
『こちらあみ子』
映画『花束のような恋をした』から今村夏子『ピクニック』を読んだ流れで、同じ本に収録されている『こちらあみ子』を読んだ。
人から見て世間がどう見えているかなんて分からない。自分の からの視点が世界の全てである。そして、その視点が正しく唯一であることを疑わない。じゃ、その視点が知的障害者ならどうか。そこに挑戦した小説が『こちらあみ子』なのだと思う。知的障害者を描いた小説はたくさんあるだろうが、一人称視点で描いた小説はなかなかないのではないか。無知ゆえ、残酷さを感じずに生きるあみ子。しかし読み手にとっては救いようのない残酷さが心に残る。
とんでもなく不快な読後感を残す作品である。よくここまで挑んだなと。