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2021年12月の3件の記事

2021.12.23

『Pages・Numbers・Keynoteマスターブック2020』

MacBookを買い替えて少し大きくなったので、あまり15インチWindowsの出番が少なくなりました。WindowsPCを使わなくて困るのが、WordやExcelなどのMicrosoft Officeが使えないこと。でも、MacにはiWork系の「Pages」「Numbers」「Keynote」という簡易版Officeソフトが無料で(というかMac OSに付属として)入っているので、これをフル活用すれば高価なMicrosoftOfficeに依存せずとも日常的な作業はできるはず。でも、やはりMicrosoft OfficeとiWorkの使い勝手は異なるし、なによりiWork系ソフトの使い方はわからず、なんとなく使っているだけ。いっぺんチュートリアル的なものを流して、全貌を掴みたいなと思っていました。
そんななか、本書がKindle Unlimitedにあるのに気づきました。せっかくなのでダウンロードして、一通り流して見ることに。
まあ、だいたいのことはできるよね。無駄に高機能になったMicrosoft Officeと違い、やはり作りは簡素ですが、普段遣いにはそこそこ充実したツールっぽいなと。
Microsoft OfficeでのプロパティボックスがiOffice系ではインスペクタという常時左側に出ている部分で操作することになります。これへの慣れこそが、iOfficeへの慣れになるのかなという印象です。

数時間で一通りのチュートリアルをこなすことができて、なんだか不安に思っていたiOfficeへの心理的ハードルもなくなったかと思います。これで、普段遣いMacをより活用できそうです。

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2021.12.19

『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』 #なぜサイゼ

ミシュランガイドに載っている有名店の経営者・シェフである著者による、経営の心構えを書いた本。副題に「偏差値37のバカが見つけた必勝法」とありますが、著者は相当にストイックであり、観察眼があり、組織運営力があり、けっしてバカが書いた著書には思えません。

著者が編み出した経営理論として「サバンナ思考」「マヨネーズ理論」が挙げられています。サバンナ思考とは、危機を早く察知し即行動せよということです。名物経営者は即断即決ができる人が多いイメージがありますね。

マヨネーズ理論とは、IT系の人だったら「車輪の再発明」として認識している思考に近いですね。要は、一流の人を徹底的にコピーしてマネろということです。成功者の工夫を自分で生み出す奇跡に賭けるより、成功者の工夫をマネしたほうが早いのは当然です。

ここで、サイゼリヤ。サイゼリヤは著者が経営するような一流料理店の対局にある廉価レストラン。これを学ぼう、学ぶためにバイトに入ろうと考えた著者はすごい。こういう発想ってなかなかないのでは。サイゼリヤは廉価を実現するために効率化を徹底しています。その効率化を一流料理店に取り入れてみるために学んでみようというのは、そもそも思いつかないでしょうし、思いついてもプライドが邪魔をして実現に至らないのではないのでしょうか。当然自分のレストランを経営しながらのバイト入りなので、かなりストイックに経営に向き合わないとできないというハードルの高さもありますけど。

蛇足ですが…ITストラテジスト過去問平成26年午後Ⅰ問3「洋食レストランの競争力の向上」のピーク時テーブル回転率向上施策として「事前に途中まで調理しておく」というのがあり、効率向上施策が品質に及ぼす影響を懸念した事があるのですが、そういうこととのバランスをあまり慎重に考えて「思考停止」するのもだめなんでしょうね。

最終章「いつの時代も夢をかなえるのはバカ」とありますが、夢に向けた情熱の高さと、それに向かうストイックさが成功を呼び込むんだなと。情熱、持ってますか?

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2021.12.08

『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』


土地所有制度は農業国の国家制度の根本だと思うが、日本史を習う中で土地所有制度に触れるのは「班田収授法」「墾田永年私財法」「地租改正」くらいではないだろうか。教科書には、墾田永年私財法で各地に荘園が作られました…くらいの記述。それでいて恩賞を含む封建制度が武家政治の中で語られて、結局のところ土地所有制度はどう変遷したの?ってのが謎のままでした。

本書は墾田永年私財法を機に各地で設立され、その後に土地所有制度の主流となった「荘園」の利権などを整理したもの。こういう視点から見る日本史の本が読みたかった!

所有と現地での支配、年貢の徴収と納付、雑役の義務。同じ「荘園」であっても時代とともに制度が徐々に変化していたことが学べました。

こういう制度の変化のきっかけになったのが気候変動と疫病。そもそも墾田永年私財法のきっかけが奈良時代の疫病だし。中期的な気候変動が土地制度や政治に与えた変化も興味深い。翻って現代の気候変動やパンデミックが社会に及ぼす影響はと考えると、まずは歴史に学びたい。

本書、著者は一般書として読みやすく努力したようだが、それでもまだまだ難解に感じる。詰め込み過ぎの感が高い。また、縦書きの新書という体裁からか、図表で表した方が理解しやすい内容も文字で伝えようとして苦労しているように感じる。

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