『DX人材の育て方』
なんとなく政府が提唱してから3年くらいが経過した「DX」。まだまだどう取り組めばいいかわからないところ。そのなか、「DX人材」をどうやって育成するかという一歩進んだ書籍が出た。まあ、DX人材が育たないことにはDXなんてできないんだけど、DXの旗のもとにどう動くのかも決められなきゃ人材なんて二の次なわけで…
でもまあ、自分自身がDX人材として育たなきゃならない自戒も込めて、読み進める。著者は学者やSIerの研究職でなく事業会社のIT部門所属とのことで、かなり具体的な事例が、しかも惜しむところなく記載されていて、これなら取り組めそう!と思わせる内容です。
そもそも企業がDXで取り組むべきはビジネスの創出であり、デジタルを使うことを目的としてはいけない。そのため、著者による社内教育もビジネスモデルの創出に注力していることがわかる。面白いのが、社内でスマホ検索OKの文化を作ろうとしていること。ググレカスなんてネット掲示板だけの話かと思っていましたが、とうとう会社にまでその流れが…。それくらい文化を変えなきゃ、ビジネス創出は無理なのかもしれません。そういうルールを定義していくのは難易度の高い仕事かもしれませんが、それを成し遂げる著者はすごいですね。DX指導者にその力量を求められるとなれば、ちょっと現実味がなかったり。指導者がチームメンバーに教えることができなければ、育成効果が期待できないとも書いてあり、まずは何を努力すればDX指導者になれるのかを考え実践しなければいけないのかもしれません。
そこをクリアでき、次に自分が社内の育成だと言う段で、かなり役に立ちそうな実践用書籍でした。
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