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「乳房消失」の歌人、中城ふみ子の伝記的小説。東京で遊学し北海道に戻ってエリートと結婚という順風満帆な人生から一転、夫の汚職、離婚、乳癌への罹患と、次々と悪事が重なる人生。転落する環境において、ふみ子は強烈な個性を発揮し、男を翻弄し、これでもかと人生を貪り食う。自らの先が短いと悟って、より生き急いだようだ。失ったもの、失ってしまうものを生きている間に取り返すように。
中城ふみ子の31年間の人生は、濃く、重い人生であったと感じさせる一冊だった。
2023.07.30 書評 | 固定リンク Tweet
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