audiobookで聴取。数年前にベストセラーになった時代小説です。
下級武士である主人公高瀬庄左衛門を描く。妻を亡くし、息子も亡くし、息子の嫁やその弟との不思議な師弟関係、屋台の蕎麦屋との交流と、かなりの人情できである。描く情景も美しく、苦しい胸の内まで美しく柔らかく描く。丁寧に書かれた物語であると感じます。
事件と思っていなかったことが、徐々に大ごとになっていき、それでも平静を保つ庄左衛門の男らしさが素敵で、その素敵さが聴いていて伝わる文章。武家の厳しさと尊厳としきたり。時代小説のいいところを、存分に味わえました。
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