« 2024年4月 | トップページ | 2024年6月 »

2024年5月の4件の記事

2024.05.25

『東京湾景』

2022年の10ヶ月間、芝浦埠頭の先の大田市場に通っていた。帰路、天王洲アイルから缶ビール片手に品川駅港南口まで歩くようなことも、よくやっていた。2023年からは晴海に通っている。事務所から少し歩くと、豊洲や台場が見える運河がある。ここしばらく、東京湾に縁がある。その東京湾を描いた小説に接した。概ねの舞台は品川駅港南口から品川埠頭あたりの港湾である。対岸の台場とは、世界が違って見える。大田市場と晴海のごとく。台場と品川埠頭はたった1キロ。なのに、印象としてとても遠く感じる。台場の会社員は、品川埠頭の労働者と住む世界が違うのだ。


違う世界に住むもの同士の接触は、匿名が似合う。そんな印象を涼子に受ける。港湾労働者の世界に、身体は飛び込んでも精神までは飛び込めないのだ。その、小さな(そして増幅していく)躊躇を、読者の胸を痛くするように著者は描いてくる。


美緒の一夜限りの不倫、亮介の教師との同棲。いずれもほんの少しイレギュラーな恋愛の形態である。何を隠した何を曝け出すか。恋愛というのは、そんな駆け引きなのか。

Img_8391

| | コメント (0)

2024.05.20

はるひ野やまざくらポケットパーク

調べのものをしていてはるひ野町内会のサイトを見たら「はるひ野やまざくらポケットパーク」という公園が掲載されているのに気付きました。恥ずかしながら、その公園の存在を知りません。地図を見ると5丁目のコモンヒルズの中にある公園です。2次造成時の提供公園かな?黒川1号線沿いではなく1本入ったところなので、存在に気付いていませんでした。
8271

はるひ野5丁目の中腹、黒川1号線(京王ガードをくぐって左に曲がる道)の中腹に上の写真の階段があるので、そこを登ったところにあるのが「はるひ野やまざくらポケットパーク」です。ベンチが2個だけある、小さな公園です。ベンチが災害時のカマドになるという、災害対応公園らしい。

8273

他に漏らしている公園はないか?と、はるひ野町内会サイトと川崎市サイトを確認です。

町内会サイト
丸山こもれび公園
黒川谷ツ公園
はるひ野ことり公園
黒川のぞみ公園
柳町いろどり公園
はるひ野ポケットパーク
海道ひだまり公園
クラスヒル小公園 (黒川池谷戸緑地隣接)
宮添みのり公園
黒川よこみね緑地
はるひ野5丁目公園
はるひ野やまざくらポケットパーク

川崎市サイト
黒川谷ツ公園
海道ひだまり公園
黒川のぞみ公園
はるひ野1丁目ポケットパーク(町内会サイトに掲載なし)
はるひ野5丁目公園
はるひ野ことり公園
はるひ野やまざくらポケットパーク
はるひ野ポケットパーク
丸山こもれび公園
宮添みのり公園
柳町いろどり公園
黒川よこみね緑地
黒川池谷戸緑地(クラスヒル小公園隣接)
黒川大谷戸緑地(町内会サイトに掲載なし、緑の会が管理)
黒川学舎緑地(町内会サイトに掲載なし)(立入不可)

比較すると
・クラスヒル小公園は川崎市道路公園センターでの扱いが微妙。池谷戸緑地の一部の扱いなのか、クラスヒル2次造成時に管理移管していないのか。
・はるひ野1丁目ポケットパークは川崎市サイトにあるがはるひ野町内会サイトに掲載なし。シンフォニア2次造成時の提供公園だと思われるが、町内会視点では宮添みのり公園と一緒の扱いなのだろうか。「管理運営協議会が管理しています」の看板が出ているので、何らかの管理組織はあるはずです。

ちなみに、はるひ野1丁目ポケットパークはエビフライが1個だけある小さな公園です。
8277

| | コメント (2)

西光寺の雲龍図を見に行った

黒川にある禅寺「西光寺」。多摩線が鶴川街道を渡るときに山側に大きな釈迦如来像が見えるのでご存じの方も多いと思います。

この西光寺で、辰年の春と秋だけ、本堂の天井画「雲竜図」が一般公開されるとのことで、令和6年春の部が開催されています。予約をして、見に行ってきました。(すでに予約は満席で、秋の開催待ちになっています。)

1日5回×10日間、1回あたり40人という制限付きで、今春にこの雲龍図を見ることができるのは2,000人限定です。僕が申し込んだとき(申込日開始日の夕方)には土日は既に満席で、平日の空きを探して予約しました。超人気の雲龍図!

西光寺の境内へ。脇の道(宮添みのり公園に続く道)はよく通るのですが、境内に入るのはめったにありません。(年に数度くらい、手を合わせたくなり賽銭箱の前に立つくらい。)本堂の前に行くと、行列ができています。15時の回の40人。開始10分くらい前に建物の中に通され、総持寺の出張売店などを見ながら時間を待ちます。総持寺オリジナルのコーヒー?なんて思いながら。


Photo_20240520174101

時間になり、副住職の案内で本堂に入ります。本堂に置かれた法事用のイスに座り、住職の話を聞きます。40分くらいの説明ですが、笑いありのユーモア交えた説明で、あっという間に説明が終わってしまいました。

雲龍図は平成12年(2000年)辰年に完成した単色の墨絵の天井画。12.5畳(4.5メートル四方)という大きな天井画です。まだ完成から24年と新しく、白黒が鮮やかです。絵師(姫路青峯)に躍動感を求めて構図を求めたとのことで、龍が螺旋に舞う様子が立体的に描かれています。平面の天井に立体感のある絵が描かれているので、見る角度により龍が違う姿に見える効果があります。住職の説明のあと、みんなで本堂をぐるりと回って、龍が「動く」様子を堪能しました。

次に雲龍図を見る機会は11月とのこと、それ以降は12年後の辰年になります。

| | コメント (0)

「たけくらべ」

言わずと知れた樋口一葉の短編小説だが、読んだことがありませんでした。大吉原展で紹介されていたので気になり、Kindleに落としました。買ったのは河出文庫の現代語訳。一葉の文体を活かしつつ現代語訳された本です。

句点がなく読点だけでつながっている古文独特の文体ですので、現代語訳と言ってもかなり読みにくいです。でも、句点がない文体なので忙しなく登場人物が動く様が表現されているので、文体も現代風にしてしまうとだめになっちゃうんだろうなと思います。難しいところ。なお、現代語訳は小説家の松浦理英子(親指Pの人)。

吉原の門前の街に生きる思春期の少年少女の心情が描かれています。少年少女ながら社会的にいろんな立場があると認識し、それでもそれを打ち破ろうとする思い。しかし、多少暴れたって、そんなものは戯れ。世は何ら変わることがなく、定まった道を受け入れるしかない現実を見せつけられる。青春の後味は苦い。

| | コメント (0)

« 2024年4月 | トップページ | 2024年6月 »