「たけくらべ」
言わずと知れた樋口一葉の短編小説だが、読んだことがありませんでした。大吉原展で紹介されていたので気になり、Kindleに落としました。買ったのは河出文庫の現代語訳。一葉の文体を活かしつつ現代語訳された本です。
句点がなく読点だけでつながっている古文独特の文体ですので、現代語訳と言ってもかなり読みにくいです。でも、句点がない文体なので忙しなく登場人物が動く様が表現されているので、文体も現代風にしてしまうとだめになっちゃうんだろうなと思います。難しいところ。なお、現代語訳は小説家の松浦理英子(親指Pの人)。
吉原の門前の街に生きる思春期の少年少女の心情が描かれています。少年少女ながら社会的にいろんな立場があると認識し、それでもそれを打ち破ろうとする思い。しかし、多少暴れたって、そんなものは戯れ。世は何ら変わることがなく、定まった道を受け入れるしかない現実を見せつけられる。青春の後味は苦い。
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