『名画を見る眼』
美術史家、高階秀爾による西洋絵画鑑賞の手引本。テレビで高階秀爾のインタビューが放送されていて、気になっていました。1969年(55年前!)というかなり歴史のある本ですが、2023年にカラー版として再刊行されました。といっても僕はKindleで買ったので、文章をPaperWhiteで読んで図版をiPhoneで観るという使い方で読みました。紙の本のほうがよかったかな?
各章に歴史的背景という節がある。それぞれの絵画の時代背景を簡潔に説明している。このことで、絵画〜時代背景〜絵画の繋がりがわかる。企画の展覧会で画家の絵画をピンポイントで観ると、そのピンポイントしか鑑賞できない。それが、この本の歴史的背景を理解することで、絵画史の流れのなかの画家の位置付けを認識しながら絵画を鑑賞できるような気がする。詳しく絵画史を学ぶのは骨が折れるが、新書2冊という分量でコンパクトにまとまっているので、これなら理解できそう。
55年前の本だけど、文の古さを感じない。(カラー版出版にあたり言葉遣いなどを書き直したのかは不明。)マニアでない一般的な美術館来訪者に向けて、自然にわかりやすく解説してくれている本を読むことができました。
カラー版の図版のうち各章の扉の絵は、岩波書店のWEBサイトでも見ることができます。(太っ腹!)
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/7207
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