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2025.01.13

『雪のうた』

雪にちなんだ短歌のアンソロジー。

雪というのは、不思議。単に気象現象だし、多く降れば生活に支障を来たしたり、事故の原因になったりする。現にこの年末年始の東北日本海側では雪が災害になっています。

それでもなお、雪には幻想的な印象があり、美しいものと捉えます。世界を白に変えてしまう魔法、それが雪ですから。

頰の雪はらいてくれる指先をたとえば愛の温度と思う(俵万智)

雪が冷たいからこそ、指先の体温が際立つ。この体温を信じていいのか、雪に惑わされているだけなのか。雪のせいにして信じてしまえと心に言い聞かせる感情。雪ってこういう魔力がありますね。

遠くの雪国のニュースを見ているだけの我々も、いざこの地に雪が降ったら「ゆひら」と騒ぐのでしょうね。

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ(穂村弘)

左右社サイト

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