『遠い山なみの光』
長崎の戦後を舞台に女の人生の厳しさを描いた映画です。被曝女性への偏見は、いかほどのものだったのでしょうか。1950年代の長崎を、1980年頃の映画のようなタッチで描いていて、観ている自分も回想に引き込まれてゆきます。戦後すぐのことを思い出しながら、イギリスでの生活も区切りを付ける。どの映像もふわっとしていて、美しさを用いて記憶を曖昧にしているような作品でした。
https://gaga.ne.jp/yamanami/
ネタバレを含みます。
戦後、サラリーマンの妻として団地に住む悦子は河岸に住む佐知子、真理子母娘と出会うという回想。この回想が、はっきりしているようで、あやふや。悦子の夜中のバイオリンの記憶のエピソードは、回想のあやふやさの伏線でしょうか。真理子は恵子なのか、観客に答えを与えずに映画は終わります。箱の猫、指し掛けの将棋が何かを暗喩していそうですが、読み取ることはできませんでした。ミステリアスな部分を残してエンドロールを流してしまうことで余韻を館外までも残してしまいます。
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