『きことわ』朝吹真理子
別荘地、葉山。遊びに来た貴子と、管理人の娘として手伝いに来た永遠子の思い出が、別荘を片付ける四半世紀後によみがえる。夢見たようによみがえる。なので、そんな物語を、夢なのか回想なのか現実なのかの境目を曖昧にした文章で書き連ねた小説です。何か決定的なことが起こるわけではない抽象的な文章を段落分けせず一気に読ませる不思議な文章に魅入ってしまいました。
春子の喫煙に背徳感があります。喫煙という、たったそれだけのことで。背徳感のある美しい生き方って難しいと思うのですが、春子のことを真正面から書かずに貴子の回想として表現することで、絶妙な春子感を描いていると思いました。
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