明治期の北海道白糠の山中で狩りをして暮らす男の物語。都市や農村でなく山中で暮らしているので、物事全てが命懸けです。獲物に挑み命を奪い糧とする。いつ熊が自分の命を糧とするかという考えを畏れず向き合わなければ、山の生活は成り立たない。人も動物も死と隣り合わせ。だからこそ、命の大切さと自らの命を守るための残酷さが露わになります。
豊かの尚家の主人も貧しい漁師の元に生まれ酷い境遇で育った娘も同じ娘を持っていて、命のために力ずくで生き抜いていきます。力ずくの迫力は山の男の描写がダントツ。しかし強い男の命だって儚いもの。儚いものの迫力を、この小説でみなさんに味わってほしいです。

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