『ゆりあ先生の赤い糸』
夫が同性愛不倫ののちに脳梗塞で倒れた50代女性の物語の漫画です。一言での物語の概略からして、複雑な設定が伺いしれます。しかし主人公ゆりあは、その複雑な状況から逃げるのではなく、物事をより複雑にする選択をしていきます。夫が不倫するなら、こちらとして守るものは何もないということなのでしょうか。そして、受け入れるべきものの幅をどんどん広げ、そのぶん受け入れてもらいたいものの幅も広げていく。自由は、バーターなのだろうかと思います。
物語を複雑にしている要因が、主人公ゆりあの、悩んだら難しい方への選択にあるように思います。そして、読者がつねにはらはらする。いよいよ手に負えないくらい。難しい方が面白いのか、追い込んだほうがやりがいを感じるのか。こういう、しっちゃかめっちゃかな状況を部外者である読者は楽しく見ていられるよね、というものあるのかもしれません。作者が挑もうとしたものは何なのか。「たそがれたかこ」でも中年女性の生き方についての表現をしていましたが、この作品はより尖った表現になっていると思います。
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