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2026.05.06

越中八尾

八尾は「やつお」と読みます。飛騨地方から富山県南部に続く山地の北の縁に位置し、いくつもの川が合流して井田川が大きな流れになる所の近くです。井田川の氾濫原でなく、一段上がった河岸段丘上に市街地が形成されているのが特徴です。付近の井田川の標高が70から80メートル、八尾旧市街の標高が95から115メートルくらいですから、30メートルぐらいの崖上に市街地が形成されていることになります。この崖は石組みになっていて、なかなか迫力のある地形です。
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崖上の旧市街地は建物が景観配慮されていて(エアコン室外機が黒色塗装されている!)一部の通りは石畳舗装されているなど、街そのものを観光資源としていることがわかります。この街は国の重要伝統的建造物群保存地域ではなく、八尾地区景観まちづくり推進地域として守られています。観光の街なのですが、僕が歩いた観光オフシーズンの平日はとても静かな街でした。
この街は江戸時代初期に加賀藩から開町の許可を得たとの説明があります。意外と新しいというのが僕の印象です。この時期には地方間の交易が盛んになり、飛騨と越中との交易拠点として重要になってきたのでしょう。さらに養蚕や製紙も栄えたとのことで、農工商のバランスよく、江戸時代から明治期にかけて街が発展したのだと思います。いくつかの町内で構成される旧八尾市街地ですが、特異なのが崖下にある鏡町という町内。現在は大きな料亭があります。ここは明治期に遊郭が設置された場所とのこと。遊郭が置かれるということは、八尾では大きな金銭が動き、他地方との交易も盛んであったことを窺い知ることができます。
越中八尾は祭りの街。いくつかある八尾の観光スポットのうち2つが祭りに関するもの。「八尾おわら資料館」と「八尾曳山展示館」です。八尾の祭りで有名なのが「おわら風の盆」です。編笠をかぶり静かに踊りながら街を練り歩く風の盆は映像で見ているぶんにも風流で、男踊り・女踊りの構成もどこか艶めかしさを感じます。この祭りを舞台にした小説もあるくらいです。(高橋治『風の盆恋歌』) もう一つが、曳山祭り。高さ7.5mもの曳山が6基、この小さな八尾の街を練り歩きます。とても見応えがありそうです。6基の曳山のうち3基は曳山展示館で展示されていて、祭りの時期でなくてもその迫力を感じることができます。
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街の歴史や祭りを想像しながらの崖の上の街の散歩でした。

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