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2026.07.04

『ミーツ・ザ・ワールド』金原ひとみ

人との距離感の取り方を考えてみます。人によって、ちょうどよくて心地いい距離感はバラバラです。自分が相手に感じている距離感と相手が自分に感じている距離感も違っています。そんなわけで、正しい距離感なんて実は存在しません。突拍子もないことを語られて、それが相談なのか通告なのかは、相手が自分に感じている距離感を理解していないと判断できません。そもそも自分が相手のことを理解しようと思っていても、相手が自分に理解してほしがっているのかすらわからないのです。今までと同じ世界で大人しく昨日までと同じように生きていくなら、人との距離感の取り方には苦労しません。現在実際に存在する距離感は時間をかけて関係者間でバランスのよい地点を探って見出したところなのですから。しかし、新しい世界に入るとなると、距離感を取るのは極端に難しくなります。新しく飛び込んだ世界がどのようなルールで成り立っているのかを理解するのにも時間がかかりますし、そこに既にいる人たちがどんな距離感を望んでいるかなんてことも分かりません。時間をかけて手探りでバランス点を見出すのですが、それまでの調整の時間は、軋轢の時間でもあります。
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