『江戸東京の坂道 凹凸から読み解く都市の成り立ち』 岡本哲志
東京には坂道が多いです。その坂道と周辺の街の歴史をなかなか細かく説明してくれている本です。
たくさんの坂道をただ説明しただけでは、なかなか理解が難しいです。この本では、武蔵野台地のうち江戸に該当するエリアを7つの台地と定義しています。7つの台地は「上野台地」「本郷台地」「小石川・目白台地」「牛込台地」「四谷・麹町台地」「赤坂・麻布台地」「芝・白金台地」です。、それぞれの台地に取り付く坂道をまとめて説明することで、理解しやすい工夫がされています。
江戸は江戸開府以降に大規模開発されたことで、江戸時代以降の文献はそこそこ充実しているのですが、戦国時代までのこの地域に関する文献は少ないのですね。中世までの江戸の地形は、想像するしかないのが残念です。特に、紅葉川と神田山。こんな市街地で、大規模な流路変更工事が人力で行われたのも驚きですし、そんな大規模工事の前の地形が想像するしかないという記録のなさにも驚きです。古に神田山があったことを想像しながら、水道橋から御茶ノ水までを歩いてみたいなと思わせます。
台地ごとの武家屋敷の区切りと歴史、その歴史に坂道が備わっているのです。人々が何の目的で坂道を通し、何を思いながら登り降りしたか。消えてしまった坂道も多いですが、それらの坂道まで思いを馳せて、東京を歩きたいです。










